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こちら、1985年製CELESTION G12-65というスピーカーユニットです。
G12-65は現在は通常よりちょっとお高めなHERITAGEシリーズでリイシューされていますが、もともとは70年代後期にMarshallアンプのキャビネットに標準搭載されるスピーカーとして誕生しました。

しかし皮肉にもMarshall好きからは好まれず、Fender好きから好まれるスピーカーとして人気になりました。まぁ本当の意味で市民権を得たのはロベンフォードが愛用してからでしょうね。

僕もこのスピーカーは過去に何度か買っては売って…と繰り返してきましたが、たしかにMarshallアンプと組み合わせてもビビッと来なかったです。ていうか僕が思うに「Marshallアンプと合わない」というより「Marshallのキャビと合わない」のではないか?と思う訳です。

Fenderコンボアンプのような箱鳴りする軽いパイン材で作られたオープンバックのエンクロージャーに載せることによって真価を発揮するのでは!?


というわけで、、、
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この堅牢なクローズドバックのRoccaforteキャビを、、、


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オープンバックに改造しました(^^)

改造する前に、裏蓋を全部ガバっと外して鳴らしたり、ちょっと隙間が開く程度に外して鳴らしたりしてみたんですが、後者の方が僕的にいい感じだったので、開口があまり大きくないオープンバックにしてみました。

…まぁ「軽いパイン材」という点はどうにもならないので「重いバーチ材」のままですが(笑)


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同じキャビが2台あるので、2台とも同じようにオープンにしました。
ちなみに載せているスピーカーですが、1つは冒頭に書きましたG12-65。もう1つはV-TYPEを載せています(共にセレッション)。

あくまでも私感ですが、この2種のスピーカーは音が非常に似ていると感じます!
※こちらの記事にもその点を書いています↓↓



さて、クローズドバックとオープンバックの違いについて思ったことを書きます!
…とその前に、一口にオープンバックと言っても間口の大きさによってかなり音が変わるので、ここでは上の写真くらいに開口させた状態のレビューということでお受け取りください。

まず改造前(クローズドバック)の音ですが、横幅約36センチと小型で かつ堅牢なこのキャビは音がガーーン!と前方に飛んでくるようなキャラでした。これはMarshallなどの良くも悪くもルーズなキャビと一線を画すBognerの豆キャビ等の方向性に近いかと思います。

一方オープンバックにすると、まずこちらに飛んでくる『圧』が優しくなり、後方からも音が出るので当然っちゃ当然なのですが『広がり』を感じます。音質的なところで言うと、ローミッドに1つピークの山が加わる印象で、そこに程良いジャリ感も加わります

余談ですが、これがもっと開口の大きいオープンバックだと、ハイが暴れ気味になってジャリ感がもっと強く出てきます。


冒頭で書きましたG12-65ですが、例えば同じくMarshallキャビ搭載で有名なG12T-75やVintage30に比べてエッジーなプレゼンスがかなり弱いスピーカーなので、このようにオープンバックのジャリ感を加えれば丁度良くなるんじゃないか?と思っての改造だったんですが、この点に関しては狙い通り!!と言っていいんじゃないかと思います!



さて先日このキャビを2台とも持ってスタジオで鳴らしてきました!
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音はめっちゃいい感じでした!
また「1台あたりは小さいとは言え、2台運ぶってどうなの?」って思ってましたが、可搬性もバッチリでした
スタジオのことは改めて記事にすると思うのでここではこのくらいにしておきます^m^

※ スタジオの記事はコチラです!



※2023.10.1追記
バックパネルにトーレックスを貼りました(^^)