シングルサイズのハムバッカーっていうのは各社からいろいろ出てますよね。
ストラトに無加工でハムバッカーを載せたいというニーズに応えた商品なのですが、今回のお話はその逆の発想で「レスポールにシングルコイルを載せたい」っていう話。

ハムバッカーサイズのP-90は存在しますが、そうじゃないんです。
P-90じゃなくストラトに載ってるあのシングルコイルをレスポールに載せたい!それもルックス的にはハムバッカーのままで!
と僕は考えていました。

考え始めたそもそものきっかけはストラトとレスポールの「音量差」です。
とは言っても、音量差だけならストラトでクリーンを鳴らす時にプリブースター踏んでレスポールと音量を合わせればいい、などの簡単な解決策があるにはあるんですよ。

じゃあなぜハムバッカーサイズのシングルコイルなんていう難しい方をわざわざ求めたかと言うと、まず僕は基本的にハムバッカーの音よりシングルコイルのサウンドの方が好きだということ。これが第一ですね。なのでこの際、レスポールでストラトの音を出すことをちょっと追求してみたい。でもレスポールのルックスは好きなので「レスポールのルックスのままでストラトの音が出るギターが欲しい」という無理難題を、結構マジな感じで日々考えていたんですw。

バカですよね〜。
これって、ギターのことを知れば知るほど「無理」っていうことがわかります。

おそらくこのブログを読んでくださってる皆様も「なに無茶を言ってるんだコイツは」って思ったことでしょう(汗)。そもそもレスポールとストラトじゃギターとしての構造がまるっきり違うので、ピックアップだけ交換すれば解決っていう単純な話なわけがありません。

じゃあどうする?
パッと見のルックスはレスポール形状だけど、ボルトオンで、3シングルで、アルダーボディー&メイプルネックで、シンクロナイズドトレモロを載せた感じのギターでもオーダーするか?いやいやそれって一昔前のス〇ゾーモデルじゃねぇか!と1人でノリツッコミするなどの紆余曲折ありましたが(笑)、、、



遡ること約半年前。
今年の6月のことでした。
たまたま僕と同じく、ハムバッカーサイズのストラトPUという奇抜な構想を考えていたピックアップ職人が1人。手巻きでピックアップを製造・販売されているJUNTONEさんです。

JUNTONEさんと言えば、以前僕のシグネイチャーピックアップを作ってくださったブランドです!(それについての記事はコチラ



・・・いや、なんか話の流れ的に「オレが発案してJUNTONEさんに作ってもらったんだぞ、スゲーだろ」的な感じに見えちゃってるかもしれませんがそうじゃなく、これがすごい偶然で、たまたまJUNTONEさんも同じコンセプトのピックアップを構想されていたんですね〜

で、ありがたいことにJUNTONEさんから「完成したらぜひ試してみてください」とご提案いただいていたんです!



それから約半年が経った先日。



ついにJUNTONEさんから、完成のご一報が\(^o^)/
モデル名はJUNTONE F/G です!!(FオンGと読みます)
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いやぁ、素晴らしすぎやしませんか・・・!!?

最初、JUNTONEさんはポールピースがピックアップの中心に来るような形(要はダンカン等のハムサイズのP-90みたいなルックス)で考えてらっしゃったらしいのですが、そこは僕が譲れなかった「ルックスは普通のハムバッカーのままで」という条件を取り入れてくださいました!!

ポールピースはストラトのシングルコイルのそれですが、そこがまた
「むっ?!おぬし只者(普通のハムバッカー)じゃないな?!」感が出ててカッコいいです

さっそくギターに搭載してみました!!
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JUNTONEさん推奨の、フロントポジションに。
載せたギターは、Gibsonのレスポールクラシックカスタムというモデル。
「クラシックなのかカスタムなのかハッキリせぃ」と言いたくなるギターですが、今回の主役はレスポールじゃなくピックアップなのでその辺は割愛します(笑)



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なんだかすごい “ 特別仕様 ” 感がありますね〜!
「レスポールのルックスのままで」という見た目の要望は完全にクリアー!!
でも良く見たらなんか違うぞ?!みたいな(^^)


肝心の音の方もレビューさせていただきます!
まずこのF/GにはType1とType2という2タイプがありまして、僕が今回試させていただいてるのはパワー強めなタイプ2の方です。
タイプ1は現状で未体験ですが、リアのハム(Gibson 57Classic Plus)とのバランス的にはこのタイプ2は非常に使いやすいですね!音量的にも歪み量的にもフロントに切り替えた途端にガクっと落ちるということは全く無いです。

あと、実際に受け取る前にピックアップの完成写真(コレね↓↓↓)を見せていただいた際、真っ先に思ったのが「ハウりそう・・・」っていうこと。
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この写真でおわかりのように、空洞部分が大きいんです。
このように空間が広いと、振動や空気の動き等で共鳴してマイクロフォニックが発生しやすくなります(そのため、よくロウ漬けして内部を固めるという対策もとられますね)。
ところがそんな心配も杞憂でした。
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先日スタジオでも試してきたんですが、まったくハウりませんでした!
大音量にしても、ラムズヘッドをフルゲイン(笑)にしても、全然OK


サウンドは「ストラトの音そのもの!」・・・とはいかないですね、やっぱり。
ただこれはネガティブな意味じゃなく、新たな発見がありました!
レスポールのボディーからくる特有のポク!っとしたコンプレッション感がストラトに加わったという感じの、絶妙なサウンドが得られました!
これはP-90が載ったレスポールとも違うし、ハムバッカーが載ったストラトとも当然違います。レスポールのフロントの色気ってこのボディ構造が生み出してるものだったんだな、と実感させられました・・・!!

レスポールのエロさを纏ったストラトって感じですかね。
いや、なんかね、この音を聴かされると、FENDERタイプのシングルコイルを載せたレスポールがナゼ今日までメジャーになり得なかったんだろうか?と妙に疑問に思いますよ。。。

僕みたいに「ハムのレスポールは暑苦しい。かと言ってP-90も違う。ストラトは大好き。」っていう向きの人には、おそらくめちゃくちゃハマるんじゃないでしょうか。
よく「P-90はハムとシングルの中間の音」とか「PRSはレスポールとストラトのいいとこどり」とか言われるじゃないですか。もちろん受け取り方の違いは各人ありますので否定しませんけど、でも、それらの言葉はF/Gピックアップを載せたレスポールに向けて言うべきじゃないかなって、僕は声を大にして言いたいですね!!(バリバリ私感ですがw)

きっと、よりストラト感が欲しいならパワー弱めなタイプ1の方がいいんじゃなかろうか?
と勝手に想像します。
あ、JUNTONEさんがおっしゃるにはホローボディにもタイプ1が合うそうです(^^)



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リアハム(ギブソン 57クラシック プラス)とのミックスも、キラっとしててすごくいいです!
フロントとリアのキャラの違いが、並列にした際に特定の帯域を相殺して特徴的なチャキっとしたピークを産み出す感じはテレキャスターのそれに近いのかもしれませんね!!



正直、搭載して初めジャーン!と一発鳴らした時は「わざわざシングルコイルをレスポールに載せる必要は無かったかも」と思いました。なぜかと言うと、構想当初、僕は「ストラトの音のままで」と無理難題を求めていたから。たしかに、レスポールにF/Gピックアップを載せてもFenderのストラトどんずばの音は鳴りません。

当たり前ですねw

ただ、前述したようにレスポールにFenderタイプのシングルコイルを載せたことによる素晴らしい副産物の数々を知ることができました!

好みかどうかは人それぞれなのは当然として、このサウンドはきっと多くの人が体感されたことの無いサウンドだと想像します。「GibsonレスポールにFenderストラトのピックアップを移植してみました」っていう人はなかなか居ないと思いますし、僕も出会ったことが無かったように記憶しています。P-90までなら試した、という人は多いでしょう。レスポールにストラトのPUはルックスがイケてない、という理由の人も多いでしょう。僕がそうだったように「ルックスがレスポールのままなら試してみたい」と思ってた人は案外いらっしゃるんじゃないでしょうか??そんな人にぜひ試してみてもらいたいですねー!!そして感想をぜひ僕にも聞かせていただきたいです!!


JUNTONEさんのF/G(FオンG)は近日中にコチラのサイトで発売開始となるそうです!
ぜひチェックしてみてください\(^o^)/
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