住んでらっしゃったご一家全員と思われるご遺体が見つかった火災がありました。隣接する2件にも燃え移ったと報道されているこの火事ですが、そのうちの1件が僕の実家です。

出火当時、唯一家にいた僕の母親は逃げ遅れて外に出られなくなり、犬にリードを付け、猫をキャリーバック(と言っても口を縛れるエコバックですが)に入れたところで、窓からハシゴで救助していただきました。「冷静に動けたつもり」 と母本人は言ってますが、当時のことを聞いても 「119と押してるはずなのに全然かけれない」 とか 「よく覚えてなくて・・・」 ばかりで、実際はかなり動揺していたことがうかがわれます。



IMG_0756
救助隊の方が一緒とは言え、さすがに母親がポチ君を抱っこして3階からハシゴで降りることはできないので、ポチ君は最後に救助隊の方に助けてもらいました。怖がってかなり抵抗したようですが、救助の方が目に入ったドッグフード入りのタッパーを片手に持ち、ポチ君がそこに顔を突っ込んで食べているすきに抱きかかえて外に連れて来てくれました。とても優しくて頼もしい方でした。



IMG_0752
ドラちゃんもバッグの中でずっと大人しくしてくれていました。
消火活動をしている間、実家の向かいにあるco-opの本部が僕らを避難させてくださいました。食べ物や飲み物、座布団などを用意してくださり、出勤されてくる方々が皆さん温かいお声をかけてくださいました。
僕らは窓から消火活動を見ていました。



その後は、近くの地区会館が僕らを受け入れてくれました。
本来、犬猫は入れないそうなのですが、ポチ君とドラちゃんも受け入れてくださいました。
毛布や温かい飲み物、カップ麺やご飯なども用意してくださいました。

IMG_0757
不安そうな顔でブルブル震えていたポチ君もこの頃にはだいぶ落ち着いて、寝てくれました。
ポチ君はもう年寄りで歩くのもヨチヨチなのですが、一生懸命歩いて頑張りました。

区役所の方や消防の方も逐一来てくださり、いろいろご丁寧に説明してくださったり、ポチ君を撫でながら犬のお話などをして僕らを安心させてくださいました。

近所に住んでらっしゃる母親や父親の知り合いも、心配して訪ねてきてくださったり食べ物を差し入れてくださったり、報道で知った僕の友達も電話してきてくれたりしました。

人の優しさが身に染みました。本当にありがとうございました。


IMG_0779
実家も一部が焼けました。
夕方あたりに家に戻って片付けを開始。夜には住める状態にはできました。

火災の爪痕は非常に大きく、うちの実家と反対側の隣家はほぼ全焼、火元の家からは住んでらっしゃったご一家全員と思われるご遺体が見つかりました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。