おそらく1カ月くらい前に撮ったと記憶しているこの写真。

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我が家の猫チーム8匹が揃う、いつもの何てことない食事風景。

しかし、こうして皆と一緒にカリカリのフードを食べるプンちゃんの姿は、

この日あたりを最後に見られなくなったと記憶しています。

毛艶もあまり良くなく、筋肉質でムチっとしていた体もヒョロっとしてきて、

いくら10歳を超えたとは言え、老いるにはちょっと早いんじゃないかな? と思っていました。

少しずつ食欲も落ち、カリカリじゃなく軟らかな猫缶しか食べなくなりました。







慢性腎不全と診断されたのはその直後。

慢性腎不全というのは、プンちゃんのように症状が体に表れてきた頃にはもうかなり進行した状態らしいです。

プンちゃんも実際、末期だと言われました。

腎臓というのは、破壊された組織は元に戻りません。

生き残っている組織だけで頑張ってもらわなければならず、その分その生き残った組織の負担は大きくなり、

腎臓の働きが弱くなると尿毒症なども引き起こします。

…ってまぁ、こんな情報はこのネット社会どこにでも溢れていますので、

僕は慢性腎不全の紹介をするのではなく、それにどう真っ向からぶつかっているかを書き記したいと思います。

当初は突然のことで何もわからずアタフタするだけの僕とジナママでしたが、

自分達なりにいろいろ調べる事でいろいろ見えてきたこともありますし、

それによって自分達の意思で動き始めたこともあります。

そんな僕らの奮闘、そしてなによりも慢性腎不全と戦うプンちゃん本人(本猫?)の姿を見ていただき

なにかの参考やお力になればと思います。

…って実際、人の力になるどころか、今は誰か人の力を貸してほしいくらいの状況なんですけどね…。







さて、話を戻します。

慢性腎不全と診断された日、まずは入院するかどうかの判断に迫られました。

自宅での毎日の皮下点滴が必要だとは聞いていました。

それを毎日続ける覚悟はできていました。

でも、その前に、プンちゃんは何も口にできなかった事による脱水症状がかなり深刻で、

自宅での点滴云々の前にまずは脱水から改善してやらなければいけない状況でした。

自分の体を掻こうと足を上げると、自分の体を支えられずにコテンと転んでしまうほどの状態でしたので

まずは体力の回復が先決だと僕は思いました。

プンちゃんの現状を見ると、非常に危険な状態である事は素人の僕にもわかりました。

もしかしたら、入院中に僕らの目の届かないところで虹の橋を渡ってしまうかもしれない…。

その恐怖はありましたけど、僕らは入院を決断しました。

プンちゃんの生命力を信じて、まずは数日間病院で脱水改善と体力回復に努めてもらい、

数日後に少し元気になった状態から皮下点滴を開始した方が、プンちゃんにとっても僕らにとっても

スムーズにいくのではないか、と思ったからです。







入院したのが10月19日。その3日後の月曜日にプンちゃんは僕らの期待に応えて退院しました。

病院では療養食を食べれた、と聞きました。

しかし、あくまでもこの入院は「治療」ではなく「治療のための準備」とも言えるもの。

自宅に戻ってからは、毎日の皮下点滴です。

それと同時にプンちゃんは薬も処方されました。

皮下点滴は僕とジナママとの共同作業です。

僕はひたすら、プンちゃんの体を抑えて逃げないようにするという役割を担います。

しかしプンちゃん。抱かれるのに慣れているせいか、性格のせいか、それともただ体が弱っているせいか、

点滴中もほとんど逃げようとはしません。毎日毎日、素直に点滴を受けてくれます。

しかし、お薬は味が苦手なのかうまく飲んでくれませんでした。

ご飯は、かなり選り好みするようになりました。

昨日食べた缶詰めも、今日は食べない、とか。

いや、朝に食べた缶詰めも昼にはイヤがる…なんて事もザラでした。

気持ちの問題なのか、体調によって受け入れる物と受け入れられない物があるのか。

そんな状態なので、ありとあらゆる缶詰めを買い、ストックしています。

もちろん、その中の1つに病院から出された療養食もあります。

ご飯は「食べる」なら良いくらいで、食べるというよりも「舐める」という感じでした。

口を開けて、パクパクっと食べる姿はほとんど見られなかったと思います。

あ、猫チームはご飯の時間になると皆食器の周辺にワラワラと集まりだすのですが、

プンちゃんはこの頃になるともう皆と一緒に寄って来ることもなく、ソファーで寝たまんまです…。








自宅で療養を続けて1週間も経たない10月27日(土)。

プンちゃんは再び入院となりました。

ただでさえ乏しい食欲がいよいよ無くなり、まったく食事に興味を示さなくなったのです。

缶詰めも多少舐めているという程度で、体力もみるみる低下しているのが目で見てわかるほどです。

背中をなでた時にゴツゴツと手にあたって痛々しかった背骨周辺も、

退院後の点滴である程度プニプニが戻ってたのですが、

この頃にはまたプニプニのかけらもなくゴッツゴツで明らかにまた痩せているのがわかりました。

お医者さんは、体が点滴を吸収できない状態になっていると言いました。

また振り出しに戻ったような感じですね。

いや、振り出しよりもさらに後退したかもしれません…。

そろそろ覚悟しなきゃいけない。そんな状況でした。







週明けの月曜にはまた戻ってきてくれるだろうと信じていましたが、戻ってこれませんでした。

でも月曜の段階で「少し療養食を食べはじめた」という事で、翌30日(火)には戻ってきてくれたプンちゃん。

その翌日31日からは、今までの倍の量の皮下点滴がはじまりました。

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普段はソファーでほとんど寝ているプンちゃんですが、お腹がすくとこのように興味を示します。

特にご飯の時間を決めず、プンちゃんがお腹がすいた時に、食べたい物を食べれるだけあげています。

慢性腎不全の猫にとって、本当はリンの量など気をつけなきゃいけない面もいろいろあるのですが、

お医者さんのアドバイスで、今はとにかく体力をつけるためにも食べれる物を食べさせています。

療養食も併用しながらですが、さすがにあまり療養食は食べてくれませんね…。

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ジーナと寄りそうプンちゃんです。






そんなある日、僕らは信じられない光景を目にしました。

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わかりますか?朝の食事の時間、プンちゃんも他の猫と一緒にワラワラと集まってきているんです!

結局カリカリは食べませんでしたが、これはとっても大きな進歩でした!!

この1週間は本当に調子が良くて(とは言っても当然病気が治った訳ではありませんが)、

ジーナの水を飲みに行ったりする姿を見せてくれました。

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食器をピョンっとまたいでケージから出てくる姿。

こんなの猫なら朝飯前な動きなんですが、プンちゃんはこんな動きもままならない状態だったんです。

自分の体を掻いても、コテンと転ばなくなりました!

ピョンと身軽にテーブルに飛び乗る姿も、よく見れるようになってきました。

点滴中も、ふとした時に逃げようとする力も出てきましたよ!




こんな時、注文していたある物が届きました。

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H4Oっていう水素水です。

ネットでいろいろ調べている時に見つけ、藁にもすがる想いで注文してみたんです。

口の前に持っていっても飲んでくれなかったのですが、鼻の頭にちょんと付けたのを舌でペロっと舐めたのを

きっかけに、いっぱい飲んでくれました!

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実はこれ、数年前に 「慢性腎不全の猫を救った奇跡の水」 という事でテレビで紹介された物なんです。

こんな眉唾モノ…と普段の僕なら思ってたかもしれません。

でも、何もできずに残りの腎臓も破壊されていくのをただ見ているだけでは我慢できず、

藁にもすがる想いで購入したんです。

このH4Oが功を奏したかどうかはわかりません。

しかし、この日あたりから明らかにプンちゃんが変わりました。

ご飯を欲しがって台所で待ってる姿をよく見るようになりました。「さっき食べたばかりなのに」 というほどです。

そして、家の中を走っている姿も見られるようになりました!

お医者さんは 「医学的に水素水の効果は認められていない」 とおっしゃいますが、

数日前までは考えられなかったプンちゃんのこんな姿を見てしまうと

例え医学的に効果が無いと言われても、金額が高額でも、気休め程度でも続けてみようと思います。

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水ですから、喉が渇いていない時には飲んでくれませんし、

かと言って食器に入れて置いておくとあまり長持ちしない(成分が抜ける)みたいですし、

なにより他の猫に飲まれてしまいます。

なので、ご飯をあげる時にご飯の上にシャバシャバにならない程度にかけて摂らせています。








そして迎えた週末、11月2日。

慢性腎不全と診断されて入院してからまた1週間待たずに入院する事になってしまった経緯がありますが、

この1週間はまた入院するどころか より元気を取り戻すような形で過ごす事ができました。

そしてなんと、昨日あたりから、他の猫チームと同じカリカリのご飯もつまむようになりました!!

このいきなりの急展開にむしろ僕らがついていけず(笑)、ちょっと、いや、かなりビックリしています!

この良い調子をできるだけ維持してもらいたいものです。








そして本日11月6日。通院の日。

プンちゃんはとりあえず良くも悪くも体は変わらず、現状での元気な姿を見せてくれています。

もちろん、毎日の皮下点滴は続いていますよ。

最近はすっかり慣れてきたのか、点滴されながら寝てるくらいです(笑)。







そんな感じで、プンちゃんと慢性腎不全の戦いは続いています。

最初にも書きましたが、腎臓は再生する臓器ではないので、

今残っている腎臓にいかに負担をかけず、元気な状態を維持するかがキーです。

治らないとわかっている病気と戦うのはいろいろ困難もあると思いますが、

家族で頑張っていきたいと思います!

この闘病記は備忘録の意味も込めて定期的に書きたいと思います。

なにか小さな事でも僕らにとっては大きな助けになる事もあるかもしれません。

アドバイスなどいただけたら幸いです。

是非、ご指導ご鞭撻お願いいたします。








おまけ

ちょっと深刻な話になってしまったので、ここらで一息つきましょう★

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チョンちゃんの癒しポーズですw